
小説紹介
今回は吉澤雅美さんの小説を掲載させていただきます!
吉澤雅美さんは小説家になろうで活動されているようですよ!
今回掲載させていただくのは、 吉澤雅美さんの『スティグマ〈烙印〉──王の異母弟、追放からのし上がる』の第1話です。
もし興味を持った方は小説家になろうで続きをご覧ください。
スティグマ〈烙印〉──王の異母弟、追放からのし上がる概要
帝国衰退後の群雄割拠の時代。エウゲネス王率いるマッサリア王国が後継国家として名乗りを上げた。そのマッサリア五将の末席に名を連ねるマグヌスは、王の異母弟であり、子どもの頃一度追放され、成人後に臣下として呼び戻された異色の経歴を持つ。追放の際、王位継承権も亡き母から受け継いだ領地も奪われ、戦いに付き従う部下はおろか自身の装備にも事欠く有様。それでも彼が五将の一人とされているのは、追放された先の南の国で生きる知恵と誰にも負けない独特の剣術を身に着けており、飾らない人柄が人々の不動の人気を得ているからだった。彼が戦うのは、相思相愛の王妃(ルルディ)のため。この想いは親友の智将テトスさえ知らない。いや、誰にも知られてはならない。胸に死刑囚の烙印(スティグマ)を隠し、今日もマグヌスは運命にあらがう。
スティグマ〈烙印〉──王の異母弟、追放からのし上がる1話
1.囚われた娘
一行が森を抜けると、両側に麦畑が広がっていた。
収穫にはまだ早い、青々とした麦である。
彼らは何の警戒もしていなかった。
送り届けるのは格子柄の質素な上着と巻きスカートを身に着けた町娘一人だけ。
それも抵抗する気配は無く、護衛たちに言われるがまま馬の背に揺られている。
彼女一人に騎馬一人徒歩四人、合わせて五人もの護衛は厳重すぎると思われ、それがさらに警戒心を失わせていた。
道の先には遠く、次の村落が日の光を受けている。
そして、道の真ん中には一人の青年がたたずんでいた。
元々の黒髪が日に焼けて白茶けたのを後ろで緩く束ね、洗いざらして灰色になった長衣を身にまとっている。帯刀さえしていなければ世捨て人にも見えるだろう。
「武者修行か? この辺では珍しい」と、隊長は馬上から一瞬興味を持ち、目を留めた。
視線は若者の黒い目と絡まりあった。
「……何!」
青年は一行を避けるように道の端に一歩退いた。
次の瞬間だった。
すれ違いざまの一撃は警告なしの抜き打ちだった。青年は馬上の隊長の股を深々と切り裂いた。馬はいななきを上げて棒立ちとなり、隊長はたまらず転げ落ちた。
「何者だ!」
誰何する声に応えることもなく、湾曲した長刀を反すと、彼は槍を持つ衛兵の鎧の胸を突いた。
ガツンと鈍い音がして、その場に崩れ落ちる。
残る三人はかろうじて剣を抜き合わせたが、見えない壁に押されるようにじりじりと後ずさる。
「きえぇー!」
一人が耐えかねて打ちかかったが、あっさりと肩から斜めに斬撃を受けて倒れこんだ。
地に這ったままだった隊長がやっと剣を抜き、杖にして立ち上がろうとあがいた。
「待ち伏せだ! 娘を渡すな!」
(五対一だ……どうして……)
「うわあぁぁ!」
衛兵の一人が剣を放り出して逃げ出した。
もう一人はやたらと剣を振り回して後ずさり、町娘の乗った馬の横腹にぶつかった。
驚いた馬はその場でひと跳ねし、もと来たほうに駆け戻っていった。
娘が悲鳴を上げて馬の首にしがみつく。
馬は娘を乗せたまま泳ぐように麦畑を突っ切り、森の中へ走りこんだ。
「しまった」
若者が初めて言葉を口にした。
だが、それほど困ってはいない様子で、長刀の血のりをぬぐい、鞘に納めた。
その動作で命拾いしたことを悟った衛兵は、口をあいてへたりこんだ。
「手当してあげなさい。命に別状はない」
青年は淡々と言葉を口にした。
「はい、はい」
衛兵はうめく隊長のもとへ這って行く。
それ以上の興味はなく、ましてや逃げた衛兵のことなど、この青年の眼中にはないらしい。
彼は長衣をひるがえすと、悠然と娘を乗せた馬の後を追った。
続きは吉澤雅美さんの小説家になろうでご覧ください。
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